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硬質地盤クリア工法

地震大国日本

南海トラフを震源とする地震は、今後30年以内に60~70%の確立で発生すると予想されています。発生する時期ははっきりとしていませんが、確実なことは「いつか」、「必ず」やってくるということです。そのため、近い将来の「南海トラフを震源とする地震・津波」の被害を最小限にとどめる事前対策として、海岸堤防の改良整備を早急に進めなければなりません。

海岸堤防の改良整備と津波レベル

東日本大震災による甚大な津波被害を受け、平成23年6月中央防災会議専門調査会は、新たな津波対策の考え方を示しました。新たな津波対策の考え方では、「比較的発生頻度の高い津波(Level1)」に対しては海岸堤防等のハード整備をおこない、「最大クラスの津波(Level2)」に対しては住民避難を軸にソフト/ハードのとりうる手段を尽くした総合的な津波防災対策を確立することにしています。このなかで、津波が海岸堤防を越えるような場合(Level2)でも、被害を最小限にとどめ、かつ避難に必要な時間が確保できるよう、海岸堤防を液状化に強い構造に改良する整備を進めていくことが求められています。
Level1 比較的発生頻度の高い津波
最大クラスに比べ発生頻度は高く、津波高は低いものの大きな被害をもたらす津波(数十年~数百年に一回程度の頻度)
Level2 最大クラスの津波
発生頻度は極めて低いものの、発生すれば甚大な被害をもたらす津波

藤本重機の矢板事業の展開

弊社では上記のような日本の状態を考え、愛媛で初めて600mmの硬質地盤クリア工法に対応したクラッシュパイラーF201を導入しました。技研製F201は、2011年に発生した東日本大震災の津波の被害を最小限に食い止めた実績があり、日本はもとより世界各地の災害復旧や災害対策に採用されております。これから発生しうる大地震への対策として、将来の子供たちそして住民の安全な生活環境を確保するために、株式会社藤本重機では今まで培った矢板技術力を維持発展させると共に、この硬質地盤クリア工法を基軸に海岸や河川堤防の改良整備を早急に進めて行きたいと考えています。

硬質地盤クリア工法とは

圧入の優位性を損なうことなく、独自の芯抜き理論により最大N値50以上の硬質地盤への圧入を実現
硬質地盤クリア工法は、圧入工法の優位性を確保した圧入機に補助工法として、オーガ掘削と圧入を連動させる「芯抜き理論」による施工方法を採用することにより、最大N値50以上の硬質地盤へ圧入施工を行う工法です。

硬質クリア工法の特徴

  • 最大N値50以上の硬質地盤への圧入を実現
    従来工法では難しい玉石混じりの砂礫層や岩盤など最大N値50以上の硬質地盤への圧入施工が可能です。

  • 水上・傾斜地などの厳しい施工条件下での施工を実現
    施工システムのコンパクト化により、水上・傾斜地などの厳しい施工条件下での施工に最適です。

  • 排土の抑制施工を実現
    独自の「芯抜き理論」により、掘削を最小限に抑えるため、排土を抑制し周辺地盤を乱しません。

  • 転倒の危険性が無く、高い安全性を実現
    圧入機本体は完成杭をしっかりとつかむ機構のため、転倒の危険性はありません。また、パイルオーガと杭は独自のチャッキング機構で固定されており、高い安全性を保持しています。

※硬質地盤クリア工法は、国土交通省の新技術活用システム「NETIS」に登録され、従来技術より優れた工法であるとの活用効果評価を受けています。(登録番号 CVB-980118-V)

適用地盤

砂質土・粘土

芯抜き圧入(砂質土・粘土【N値<75】への圧入)
「芯抜き理論」により、まずはパイルオーガで最小限の掘削をおこない、地中に芯をくりぬいた状態を作り出します。そしてパイルオーガを引き抜きながらその隙間に杭を圧入していきます。掘削はあくまで圧入補助として最小限に抑えるので排土量はすくなく、周辺地盤を乱さないため強いし磁力を持った完成杭を構築できます。

岩盤

先行掘削圧入(岩盤及び砂質土・粘土【75<N値】への圧入)
従来工法で岩盤に杭を打設する場合、まずはガン伴奏を破砕しながら大きく掘削して、そこに砂を充填した後に杭を打設するのが一般的です。しかしこれでは工費がかさみ、工期も長くなります。この欠点をクラッシュパイラーに装着されたパイルオーガで最小限の先行掘削を行った後に杭を圧入するという工法によってクリアし、岩盤への圧入を可能にしました。岩盤の掘削と鋼矢板圧入を1台の機械で行えるため、きわめて効率のよい施工が可能となりますまた、先行掘削は完成杭の継手部をガイドとして行うため、高精度の掘削が可能となります。