標準機械配置
地中に既に打ち込まれた杭、つまり地球と一体化した完成杭を数本つかみ(反力杭)、その引き抜かれたまいとする力(引抜抵抗力)を反力として、新しい杭(圧入杭)を油圧で押し込んでいくのが圧入施工である。そのため圧入機本体は小型、軽量で、圧入杭につかまって完成杭上を自走していくため、杭吊込み用のクレーンが一台あれば圧入施工を行うことができます。
初期圧入
完成杭のない状態から圧入作業を開始するとき、一般的な「反力架台」を用いて初期反力杭を施工する。圧入機本体と反力架台を水平に設置し、土質条件と杭長に応じた反力ウェイトを積載、その総質量と反力として最初の杭を圧入する。圧入し終えると反力杭として順次つかんでいき、圧入機本体が完全に初期反力杭に移行すると、反力架台と反力ウェイトとを撤去して初期圧入作業を終了する。
圧入工程/自走
圧入杭を所定の深さまで圧入完了すると、リーダーマストを前進させ、次の杭を建て込み、圧入開始。その杭の支持力が、圧入機本体重量を十分に支えられる大きさになったら、反力杭を掴んでいるクランプを開き、圧入杭を掴んだままで圧入機本体を上昇ささえ、サドルを杭材1枚分前進させる。圧入機本体を次の反力杭位置で下降ささえ、水平度を確認した後クランプを閉め、新たに反力基盤を構築、そのまま連続して圧入杭を地中に押し込んでいく。これを繰り返していくのが圧入工程であり、圧入機本体を前進させる工程を「自走」という。
カーブ施工
圧入機本体には、チャック回転、マスト旋回、クランプ左右のメカニズムが備わっており、カーブや複雑な計画法線にも対応することができる。最小施工半径は、杭材及び圧入機の使用によって異なる。
コーナー施工
圧入機には、同位置から進行方向と直角に左右各2枚ずつ(計4枚)の鋼矢板を連続圧入及び引抜機可能な「コーナーフォー(C4)」機構が標準装備されている。圧入機の位置はそのままでコーナーが曲がった進行方向に2枚目(L2,R2)まで圧入し、方向転換時の反力杭としてその後ろ側(進行方向と反対側)にも2枚まで施工できる。このC4機構によって、市街地の建築現場や狭小な現場でも、安全かつ効率的に締め切り工や立杭建設を行うことができる。